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2007-12-09

鎌倉みほとけ紀行 如意輪求めて奥の細道之巻

閻魔をはじめとする円応寺のコワモテ兄さん達にすっかり振られ、トボトボ歩くこと10分足らず。
鶴岡八幡宮が見えてきました。
車の祈祷所がある横から乱入し、ついでに(すみません)お参りしてゆくことに。
しかしなんという人の多さでしょう、これはまるで初詣かと勘違いするような混雑振り!
まだ30分も寝ていない息子も、この賑わいに目を覚ましてしまいました。
寝始めたところを邪魔されて、きわめて不機嫌な息子は当然自力で歩く気ゼロ…。
よってかかえたまんまあの大石段を降りてゆきました。おぉ、膝に負担が…!!

鶴岡八幡宮にて

舞殿ではちょうど結婚式が執り行われているのに遭遇しました。
鳴り物付きで素晴らしいロケーションでの結婚式、さぞや挙式料もお高いのでは??
と思いきや後日確認してみると、取られるのは15万円だけのようです。
もっとも衣装やメイクなどの支度代に披露宴代も含まれていないのですが…。
でもいいですよね、目立って、大勢に注目されて、オープンエアーで写真もビデオもいい感じで撮れるでしょうねぇ。
さて、鎌倉国宝館はもうすぐ近くです。
色んなお寺から結構いい仏が寄せ集まってらっしゃるので行きたいな〜と考えていたのですが、
息子はもう砂利で必殺「ねんね〜」を繰り返し、砂埃で黒のコートが真っ白になるわ、転んで口は真っ黒になるわで
これはもう休憩するしかないなと、スルーしてみました。
鶴岡八幡宮の近くに美味しい和菓子屋さんがあるのです!!
たった2ヶ寺しか周ってないのに休憩なんて、私の昔のストイックさはどこへやら。
子を産んで以来ご飯も甘い物もよく食べる私は、あれほど敬遠していた甘味もいまや無視して通り過ぎることなどできません(笑)。

甘い物を食べて休憩

色んなところで紹介されていますが、そのお店は「旭屋本店」です。
豆大福が美味しい!と評判で昼過ぎには売切れてしまうと言う話なので、今行けばあるかも〜と行ってみました。
まだあります!!四角いお餅にあんこを包んだ形の豆大福が!!!
これは美味いぞと私の二の腕がブルブルと信号を出すので、私たちが今食べる分と我が母上へのお土産分も購入しました。
店先のベンチで3人で頬張ります…!ホントはお店の中でお茶と一緒に食べれるらしかったんだけど(笑)。
ほんっと美味いですー!赤エンドウ豆がたっぷり、完全無添加の和菓子だそうで。さいこー。

糖分補給で少々元気になったところで、また息子を担ぎ次なるお寺へ向かいます。
来迎寺です。
地図で言うと鶴岡八幡宮東門の奥の方にあるお寺で、そこから1キロ弱ほどの距離です。
恥ずかしながら来迎寺の存在を今回の旅の直前まで知らなかったのですが、
道中ずいぶん多くの人々と一緒で、鎌倉のメインストリートから離れた小さなお寺でも知ってて結構見に行くんだなぁと感心。
…したのは間違いでした。途中でみなこぞって道を曲がり、来迎寺に至る道を歩くのは我等親子だけになってしまいました。

来迎寺

素敵な住宅街に息子のハイテンションな笑い声を響かせつつ歩き、やっと到着!
うう、閑散としているなぁ。
このお寺は仏像は美術品ではなく、信仰の対象ですという姿勢を貫いていらっしゃるので
仏様を拝みたい人はインターホンを押してお申し出ください、というシステムになっています。
こう、ひとつハードルを作られてしまうと、美術品<信仰対象の割合で仏に接する見仏人でも少々考えてしまいます。
信仰の対象である仏の像に興味があり、敬意を払っているとはいえ、そのものを信仰しているわけではない。
そういうのって冷やかしになるのかしら?どの程度のお客まで許容範囲なんでしょう?
ドキドキしつつもインターホンを押し、自分の中の最低限の掟をもってして「仏様」を「拝ませてほしい」とお願いしてみました。
すると女性が中から出てこられ堂内に導かれ、拝観料をわたしお寺のパンフレットをいただきます。
あとは何も言わずに女性は所定の位置のいすに座り、文庫本を読み始めてしまいました。
そんなにドキドキすることはなかったか…(笑)なんて思いつつもしっかり仏様の前では合掌礼拝はかかしません。
そもそもそうしなさいと、表の張り紙に書いてあるので、ここへ見仏にこられる方はマナーに気を配りましょう
いや、ここに限らずですけどね。
さて、まずはご本尊様にご挨拶…如意輪観音さんは…いました!ご本尊に向かって右手に!!

『鎌倉みほとけ紀行』の表紙より 三山進著 PHP出版 1986年

で、でかい!!!(笑)
見仏人を名乗りながらも、つい先日までこちらの如意輪観音の存在をしらなかったのですが、
『鎌倉みほとけ紀行』なる書物で始めてお目にかかった印象とはだいぶ違います。
漆黒につやめき、アンニュイな表情を虚空にむけるこのお方は等身大の印象。
放つのは、我々とは一線を画した所で想いに浸るかのような、夢見心地な雰囲気。
だがしかし実際のかの方は・・・・
と、とにかくでかい!
でかいと言っても資料によれば坐像で1m足らず、等身大の印象でぴったりなはずなんですがねぇ。
円応寺の諸尊に感じるのと同じ、接近戦の迫力があるのです。だからでかく感じるのか?
好きか嫌いかと問われれば、好きです。あってますます好きになりました。
この仏様は鎌倉時代以降の作なのですが、それらにありがちなクールですらりと長身でハッカ飴みたいな感じではありません。
なんて、むっちりとお肥りなんでしょう!なんて暑苦しくて濃ゆいんでしょう!!
つまり力強さをかんじるんですね。言うなれば、弘仁・貞観期の作風すら漂わせております。
先の印象とは異なり、「我々とは一線を画す」どころか、見る者を己の陶酔に巻き込むぐらいの引きの強さ。
「ハッカ飴」どころか中にどろっとした黒糖の液体が入ってるタイプの黒飴の類です(笑)。
いっそ、頭から下げた「セーラームーン(byみうらじゅん)」みたいな髪飾りやジャラジャラした瓔珞なんて毟り取ってしまいたい。
そのこってりした肢体となまめかしい姿態から放たれる濃密な雰囲気だけで充分、お腹いっぱい。
前回の記事でコビトさんと意見が一致したところの「肌見せ」がにあう、仏です。
如来のごとく、布切れ1枚で己を魅せることのできる仏です。
(いきなりひとり言ですが、キリ○ジのお兄さんの方を時代区分に当てはめるとやはり弘仁・貞観期ですね。
彼の見た目もちろんですが、しつこさと重たい=含みが多すぎる位の一振り・一言も同質のような…)
それからこの仏にも土紋は見られます。
衣の裾に大きな模様がコテコテと貼り付けてあるので、とてもわかりやすいです。
如意輪特有のポージング、右の立膝にもふんだんにあしらわれているので、ご覧になってみてください。
ちなみに、この方は「安産の守護尊」として篤く信仰されているようです。
納得。この身体は説得力あり。これは効きますね。直感です。
お守りもお堂の中で売っていたと思うので、ぜひ、心当たりの方はお求めになったらいかがでしょうか。

来迎寺 本尊・阿弥陀如来のご朱印 来迎寺 如意輪観音のご朱印

文庫本のお姉さんにお礼を言ってお堂を後にし、ご朱印を頂きにお宅の玄関まで回ります。
ご朱印は3種類あるようです。
まずご本尊の阿弥陀如来、そして如意輪観音、もうひとつは地蔵菩薩(国宝館に出張中)です。
私はご本尊、息子には如意輪観音をいただいてきました。
ああ、いい仏像だった…!
私は胸がいっぱいで、一人できていたら確実に昼抜きで見仏を続行するところですが
息子と夫の空腹とくたびれぶりに合わせて次はお昼ご飯に行くことにしました。

次回の記事では、ハヤシライスと土紋シリーズ第4弾・宝戒寺でお送りいたします!
一ヶ寺一ヶ寺、いちいち記事が長いですが、見仏に飢えた私の浮かれ心を察しお付き合いくださいませ(^^)


来迎寺

住所   鎌倉市西御門1−11−1
電話   0467-24-3476
アクセス   鎌倉駅から徒歩25分
本堂拝観   希望者はインターホンで申し出る。200円。お盆時期は拝観不可。
拝観時間   10時〜16時

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うーんこの如意輪観音様、いいですね!
来迎寺って私も未知でしたがこんなにエキゾチックな仏さまがいらっしゃるとは。
ぜひ行ってお会いしたいです。
そしていきなりキリンジの兄が弘仁・貞観期にカテゴライズされていてびっくりしました。
そうそう、あの「もう入んないよッ」って辺りが確かに・・・。
お腹いっぱいの拝観だったようで羨ましい限りです。
次なる見仏記録、楽しみにしてます〜。

コビトさん

いいです、ほんとにこの如意輪は。
写真写りは女性っぽいけど、実際はだいぶ印象が違いますよ。
ぜひぜひ会いに行ってみてくださいまし。
こういうとなんですが、「見」応えがありますね。
キリンジ兄にも引っかかってくださってありがとうございます(笑)。
弘仁・貞観の仏だったら(地味な)国宝仏でしょうねぇ、彼。
京都の神護寺の方の寺ににひっそりいそうな感じがします。
きっと神護寺のしかめっ面の薬師立像と仲がいいでしょうね。
ではでは、次もよんでやってくださいね!

はじめまして、「お気楽人」ことtoshiです。
鎌倉あたりのお寺や仏像は以前から気になっていて
このブログには時々お邪魔していました〜
東国にはまだ巡礼に行ったことがないので、このブログで
行った気になっておりました〜

「まなめかしい微笑み」がグッとくる如意輪さんですね〜
やはり如意輪さんは「なまめかしさ」が命。

東国の素晴らしい仏像・お寺をどんどん教えてくださいね〜

またお邪魔します
では

toshiさん

toshiさん、はじめまして!
十大弟子の名を騙る(笑)見仏人の須菩提と申します。
サイトを拝観させていただきました〜充実してらっしゃいますねー!
素晴らしい行動力に脱帽しました…。
それにお仲間も近くにいらしてうらやましい限り!!

そうですね、この如意輪は「なまめかしい」です。
…写真で見る限りは…。
実際はすんごいパワーありますよ、圧倒されます。
いま風邪っぴきで鎌倉見仏紀行の記事が中断していますが、またいらしてください。
私も西国の見仏記事を参考にさせていただきますね。
たのしみにしてます〜
プロフィール

須菩提

Author:須菩提
朝から晩まで、2名の仏童様方にせっせとお仕えする日々。彼らのお世話の彼方にホトケがうっすら見えまする…。西方浄土ははるか遠く、思慕の念は深まります。

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